

スキャナで取り込んだばかりの白黒の絵をレイヤーとして独立させる。そうすることによって、線を上書きして色を塗ってしまう心配がなくなる。これはペイントソフトを使って絵を描くときに特に重宝される技術だ。
これを実現させるのには主に二つの方法があげられる。乗算法とマスク法だ。
線画のほかにもう一枚レイヤーを用意して、下塗り用とする。この上に線画レイヤーを据え付けて、レイヤーの描画モードを乗算にする。これが乗算法。もっともお手軽で、どのソフトでも大抵使える便利な手法だ。
この乗算は、まるでマーカーで塗ったように色が塗り重ねられていくので、主線以外にも影の色塗りなど様々な場面で重宝する。黒の地に何を塗り足しても黒のまま、灰色の地に青を塗り足すと紺色になるという、非常に直感的な動作をするのが利点だ。

大抵のペイントソフトにはレイヤーの描画モードを切り替える機能がついているので、簡単な手順で行うことができる。描画モードの切り替えは一般的にレイヤーのダイアログ近くにあるので、そこを切り替えればよいだろう。
参考リンク/各ソフトにおいての乗算法での主線のレイヤ化
この乗算法の弱点は色のブレンドという点にある。主線が白黒である場合には問題がないのだが、いざ主線の色を変えようとした場合に後ろの色とブレンドしてしまう。この問題を解決するために、マスク法と呼ばれる手法を使うこともある。


マスクとは描画を抑制する効果を持つ白黒の画像で、レイヤーごとに設定できる。例えば三角のマスクをレイヤーにつけて色を塗ると、三角の部分だけ塗られない。灰色の部分は半分だけ塗ることができるので、なめらかな斜めの線も問題なく塗ることができる。


では、このマスクに関して三角ではなく主線の絵を白黒反転したものをマスクにするとどうか。主線の部分だけ色を塗ることができる。こうして作ったマスクの上から黒で塗りつぶすと、レイヤー化した主線の絵ができあがる。これがマスク法だ。
乗算法と違い、マスクで描画を抑制しているので黒以外の色で上から塗りつぶせば、主線をほかの色に変えることができる。肌に近い場所は茶色のような肌に近い主線の色を使えば、柔らかい効果を出すことができるだろう。
ただし、このマスクの機能はソフトによっては使うことができないので注意が必要だ。PictBearのマスク機能は画像を貼り付けるということができない。そのかわりフィルタ白を透明にをインストールしてやれば、あとで主線の色を変えることが可能なレイヤーができる。
参考リンク/各ソフトにおいてのマスク法での主線のレイヤ化
主線をレイヤーにする主要な二つの方法だが、必ずしもどちらかがいいといえるものではない。主線の色を変える必要がない場合には乗算法の方がどのソフトでも使えて手軽なうえに、主線を後で手直ししたいときにも白や黒で描き足せばよいので楽だ。マスク法だとマスクモードに切り替えてから修正するので、直感的ではない。
また、最初に乗算法で描いておいて、あとで主線の色を変えたくなったときにマスクに白黒反転した主線の絵を貼り付ければ簡単にマスク法に切り替えることができる。(もちろん逆もできるが)必要だと思ったときに必要な方法でやればいいだろう。